国道152号で中央構造線と秋葉街道を辿る (4)
                                                       ≪ (3)からの続き ≫

国道沿いの鹿塩川Ed 黒川沢に掛かる橋を渡ると、国道の左右の平地が狭まり、田畑も人家も途絶えます。鹿塩川は、国道の西側ぎりぎりを流れています。
 やがて東側の山を削った擁壁が現れると、鹿塩川と国道の間に、僅かな集落と畑が現れます。対向方向で、国道標識のポールに付随する地名標識「儀内路」が現れ、ここ迄で儀内路の集落が終わります。
 カーブや橋の袂には滑り止め砂や融雪材(塩化カルシウム)の袋を置いた箱が置かれています。冬の凍結時に道路に撒くのでしょう。海沿いの街で暮らす者にとっては、環境の違いを知る道でもあります。                                                <図35.、国道の際を流れる鹿塩川
農村体験館Ed 擁壁が切れて、東側の斜面に豆類が植えられている所では、鹿塩川と国道の間に、都会からの自炊客を対象にした「農村体験館」の建物が並んでいます。ここは、都市農村交流事業として設立20年を超える、日本型グリーン・ツーリズムの先進地だそうです。
 この種の施設への訪問を切っ掛けに、大鹿村に I ターンした人も100名を超えるそうです。移住者へのインタビューでは、地元民くな親切が身に染みて、移住を決意し            <図36.鹿塩の農村体験館>               た人が多いようです。
 
小塩地滑アンカーEd  蛇行する鹿塩川に沿って国道も蛇行し、東側に高い擁壁が続いた後、道幅が1.5車線ほどに広くなり、崖の上に蕎麦屋が現れます。その先で、国道標識のポールに付随する地名標識「大塩」が現れます。大塩の集落です。標高は890mで、中峰黒川林道分岐から33mしか下っておらず、カーブは多いものの、かなり平坦な道になっていることが分かります。
 ここの対向方向に、「この先 分杭峠 大型車両(ホイール・ベース5m以上) 通り抜けできません 飯田建設事務所」という看板が登場。これは私たちの通ってきた道の話ですから、逆に、進行方向には、     <図37.小塩地滑り地帯のアンカー工事>     間もなくセンター・ラインが登場し、道幅が2車線になることを期待させます。
下り勾配&小塩 国道沿いに住宅が点在する大塩の集落を抜けると、西流して来た小さな沢と鹿塩川の合流の橋があります。その橋の手前で、国道にセンター・ラインが現れます。
 橋を渡って国道を進むと直ぐ、東の高い擁壁の前に、斜度標識「下り勾配10.5%」のポールが現れます。このポールに付随する地名標識は、標識のある場所が「小塩」であることを表しています。
 この位置で、国道西側の林の中に、消えかかった細い道が分岐して行きます。秋葉古道は、崖を切り崩すことなく、迂回していたものと思われます。
 国道沿いは高い擁壁が断続する小塩の集落ですが、崖の上や、国道と鹿塩川の間に人家が散在しています。
 崖と林が切れると、人家の先に、迂回していた秋葉古道が戻って来ます。
<図38.斜度標識&「小塩」の地名標識
 西流して来た大きな沢と鹿塩川の合流の橋の手前で、東に沢沿いの道が分岐しています。分岐の角に大き
な桜の木があり、「夫婦桜」の札が立っています。

小塩地滑工事看板Ed 橋の上からは、沢の対岸に「小塩地区 直轄 地すべり防止事業 林野庁中部森林管理局」という看板が見えます。 
 ここは、国内有数の大規模地滑り地帯で、昭和40年代には年間1.5mほど動いていたそうです。対策工事の結果、今では動きが止まっていますが、今度はその上部が動いているようで、現在、GPSで観測中だそうです。
 小塩地区の地滑り地帯は、(1)に先述した三波川変成岩類の結晶片岩
(黒色片岩や緑色片岩)の地層で、薄く剝れ易い特徴があり、何かあると、大規模な崩落を起こします。                             
 ここでは、元々脆い地盤を、大量の地下水が崩壊させると考えられてお <図39.「小塩地区地すべり防止事業」の看板り、集水井や集水トンネルが作られ、補強アンカーが打込まれていますが、そのトンネル工事中にも出水でトンネルが崩落したり、水圧でアンカーが吹き飛ぶなど、工事は度々難航 するようです。

行先標識&柳島Ed2 袂に「夫婦桜」のある橋を渡ると、対向方向で、国道標識のポールに付随する地名標識「小塩」が現れ、ここ迄で小塩の集落が終わります。
 東の高い擁壁と、西の鹿塩川に挟まれた谷間の道を南進すると、擁壁が切れた辺りから、国道の両側に小さな集落が見えてきます。
 対向方向で、ブルーの行先標識「入沢井・中峰」のポールが現れ、入沢井・中峰林道が、国道から東へ分岐する急坂があります。このポールに付随する地名標識は、標識のある場所が「柳島」であることを表しています。 即ち、対向方向の集落標識が「小塩」~「柳
島」の間が、柳島集落だったことになります。
 この標識ポールの足元に、「青いけし」の立て看板があります。私たちの進行方向には、地名標識はないものの、行先標識と「青いけし」の立て看板だけはあります。
<図40.入沢伊・中峰林道分岐&「柳島」標識
大池湿地九輪草Ed 入沢井・中峰林道は、中峰~入沢井経由で、大池高原に通じています。大池高原を経由して、中峰・黒川林道に通じています。即ち、儀内路集落で国道152号から分岐し、北川・黒川 牧場に至る、(3)に先述の林道と繋がっています。
  大池高原には、澄んだ水を湛える大池(周囲2km)や、高山植物の咲く湿地帯があります。近くには、ヒマラヤの「青いけし」を育てている農園もあり、この林道は、花の季節には賑わいます。

 大池高原の西斜面を直滑降すると、小塩地区に至ります。即ち、大池高原は小塩地区の山頂部に相当します。大池と周辺の湿地帯の豊富な水 <図41.クリンソウ(九輪草)咲く大池周辺の湿地量が、元々地盤の脆い小塩地区に、地滑りを齎しているように見えます。
                                
【注】 日没後の国道に関する画像に限り、後日、Google Street View でトレースしたものです。

 文責 :  南アルプスJGN全国大会に参加したHP&ブログの担当スタッフ  in  銚子ジオパーク推進市民の会

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