地球寒冷化予測について、新しい知見を紹介します。

●4月19日の国立天文台のお知らせ記事『太陽観測衛星「ひので」、太陽極域磁場の反転を捉えた』 
  4月19日の  国立天文台のプレス・リリース『太陽観測衛星「ひので」、太陽極域磁場の反転を捉えた』 
●4月20日の朝日Web版『太陽が冬眠?地球に低温期到来の可能性』  
●6月24日の日経Web版『太陽に異変 静穏化で地球は寒冷化するのか』(日経サイエンス8月号の紹介記事)

【前提】太陽活動の変化は11年周期とされる黒点の変動によって知ることができます。 
 黒点は、太陽活動で生まれる巨大な磁力線の束と考えられています。

 太陽は、水素やヘリウムの原子を衝突させて核融合を起こし、熱を生み出しています。この熱で、水素などのガスは、電子が分離してプラズマ状態になって内部を対流します。それがコイルの働きをして磁場が発生すると考えられています。これが磁力線の束となって表面から飛び出し、再び太陽に戻ります。 このループ状になった磁力線の出入り口は温度が低いため、黒い点に見えます。太陽の活動が活発になると、ガスの対流が盛んになって磁力が発生しやすくなり、黒点が増えると考えられています。【ダイナモ・モデル】
 黒点数のピークを極大期、底を極小期と呼びます。
CoronaHall
 太陽から吹き出す超音速(300~700km/s)のプラズマ流を太陽風と呼び、太陽系の全惑星を包みこんで流れています。上図は、名大地球環境研究所 小島正宜氏の『太陽風プラズマ』より引用。
 極小期には、高速太陽風が南北極域を中心にして発達し、低速太陽風は赤道付近に細い帯となって存在します。
 極小期には極域の磁場強度が増大し、コロナホールと呼ばれる領域が高緯度を中心に発達し、高速風の源となります。  
 極大期には、高速風が衰退し、太陽全面から低速風が吹き出します。地球軌道は太陽の赤道付近にあるので、太陽活動サイクルの全期間を通じて地球に到来するのは、主として低速風です。

 黒点は内部の磁場を乱すため、黒点数が極大になると太陽の磁場は弱まり、南極と北極の磁場が同時に反転します。この期間が11年。ただ、南北の磁界の向きは、元に戻るのにさらに11年かかります。つまり、太陽の磁場は、約22年で変動を繰り返しています。 
 太陽の磁場構造は、南北が反対の極性を持つ「2極構造」で、通常、太陽活動の極大期に南北の極性が、同時に入れ替わります(下写真の左側は、極小期)。
 太陽の周期的な活動に異変が起きると、北と南がN極で、赤道付近がS極という、「4極構造」を取ることがあります(下写真の右側は、近未来予想)  下写真は、国立天文台/JAXA 提供。 
太陽地場4極構造
【現状1】 日本の太陽観測衛星「ひので」(2006年9月打ち上げ)の観測によって、太陽の南北の極域磁場の様子が、異常な形を取りつつあることが分って来ました。 
 北極がS極で南極がN極だったものが、今年に入り、南極がN極を維持したまま、北極がS極からN極に変わりつつあります。即ち、北極の反転だけが早まっており、近年の観測では確認されていなかった4極構造状態に入り始めています。 
 こうした変則的な磁場構造は、最近の研究によると、「マウンダー極小期」と呼ばれる、17世紀を中心とした近世の寒冷期(1645年~1715年)に起きていたようです。

【現状2】 最近の黒点数は、現在、約100年ぶりの低水準だそうです。
 黒点活動は、ガリレオの時代からの観測の蓄積があり、今回は
 「マウンダー極小期」と似ているそうです。
 太陽の極域磁場が4極構造状態に入り始め、南北の極域磁場が1/2に減少した結果、赤道域に高速風が吹き出し初め、低速風は南北の中緯度帯の2つに分離しています。
 

 太陽活動が低下しても、地球への日射量はそれほど減りませんが、低速の太陽風が極小となって遮蔽物を失うために、現在は、大量の銀河宇宙線が地球に降り注いでいる状態です。

 荷電粒子である宇宙線が増えると宇宙線が生み出すイオンの効果で雲の核が形成されやすくなり、雲に溜まる電荷が増えて雲の成長が促進され気温低下・雨量増加が起こるのではないかと予測されています。

 太陽活動が極端に低下し、銀河宇宙線の量が増えた「マウンダー極小期」には、地球に飛来する宇宙線が強くなり、空気のCO2に占める炭素14の量が増えたことが、台風で倒れた室生寺の樹齢392年のスギなどの年輪を分析して、判明しています。

 一方、酸素16と酸素18の比率から、当時は雨が多かったことも分かっています。
 この「マウンダー極小期」は、現在と比べて寒冷で、 世界規模の飢饉が起きたことが分かっています。


【まとめ】地球温暖化」ではなく、「地球寒冷化」が心配になりますね。
 『不都合な真実』を映画化して「地球温暖化」キャンペーンの口火を切った、米国のアル・ゴア元副大統領のお姿も最近は見かけませんが、今は何をなさっているのでしょう?「地球寒冷化」対策?